■特集02 平屋に暮らす。 |
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<特集02 平屋に暮らす。>
平屋の家はよく言われるようにある意味とても贅沢な暮らし方であると言えます。
2階建てにする必要がない程度のゆとりのある敷地面積を持ち、地面とつながった安心感のある暮らしと、平屋ならではの伸びやかな暮らしを体感できるからというのが大きな理由かもしれません。
そんな平屋の家に暮らすことの魅力を、まったくタイプの異なる3つの実例とともに今回ご紹介させていただきます。
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平屋の実例1 シンプルな平屋の家「豊田の家」 |
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2012年に愛知県豊田市に竣工したシンプルな切り妻屋根が載る「豊田の家」です。
大きなテーブルを置いた、庭を眺められるゆったりとしたダイニングを中心にした家に住みたい。クライアントのYさんが求めたのはそんな「木の家」でした。
平屋ならではの、切り妻屋根の屋根裏がそのまま見えるゆったりとした大空間のダイニングにはYさんが特別にオーダーした大きなダイニングテーブルが置かれ、芝生が張られた広々とした庭とウッドデッキを介してつながりますが、軒は低く、そして深く架けられているため、外部と内部の中間的な緩衝地帯としてゆるやかに外と内が連続します。
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ゆるやかな勾配の切り妻屋根が載っているのがよくわかります。勾配は2.5寸勾配と切り妻屋根としてはゆるめの屋根勾配を採用しています。ゆるい勾配を採用した理由はいくつかありますが、大きなダイニングが中心のこの家の、屋根裏が見える室内の雰囲気をおおらかな雰囲気にしたかったというのが大きいかもしれません。
何より上に2階が載らない平屋というのは、こういったおおらかな空間をつくり出すのにとても適しています。
また、この家は水廻り以外すべて屋根裏が見えるような構造となっていますが、大きな屋根に包まれているという安心感というものも空間に落ち着きを与え、平屋ならではの魅力と言っても良いかもしれません。
→豊田の家の詳しい実例写真
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平屋の実例2 ロの字型の平屋のコートハウス「平子山の家」 |
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2011年に愛知県名古屋市に竣工したロの字型の平面プランの「平子山の家」です。
周囲は喧騒な開発地域に位置するために家の中心に中庭(コート)を設けて、その中庭に向かって開きながら、周りをぐるりと各部屋が配置された平屋のコートハウスです。
前面道路とは高低差がある敷地のため建物の基礎と土留めを兼用し、平屋でありながら階段で玄関へアプローチする外観となっています。
低く抑えられた建物の高さは周辺の住環境にも寄与しつつ、中庭や中庭を通してリビングに差し込む自然採光を確保しています。
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中庭の夕景写真です。照明の灯りに映し出されて各部屋がぐるりと中庭を取り囲んでいる様子がよくわかります。中庭は空しか見えないプライベート空間です。
中庭の左手がリビングダイニングで、右手が個室(子供室)となります。正面奥は水廻りや室内物干し室などが並びます。(写真は主寝室側から撮っています)
リビングと個室や主寝室が中庭を介してゆるやかにつながり、適度な距離感を与えてくれます。
ロの字型の平屋ならではの動線の回遊性が行き止まりをつくらない奥行きと広がりをもたらしてくれる家です。
→平子山の家の詳しい実例写真
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平屋の実例3 モダンな和の平屋「和田の家」 |
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2011年に愛知県江南市に竣工した落ち着きのある和モダンな平屋の「和田の家」です。
4寸勾配の深い軒を持つ切り妻屋根が載る落ち着いた平屋らしい外観で、石畳を敷いた小道のようなアプローチと植栽が、より落ち着きのある外観を引き立てています。
本来、日本の建物は城などの特殊な用途の建築物を除けば平屋という形がずっと伝統的基本でした。だから和の家には軒の低い平屋がとても似合うのです。
大きな深い軒の勾配屋根が架かり、軒裏には木が見え、外壁は落ち着いた土色の左官仕上げで開口部は木製の建具がはまり、その開口部からは緑が見える佇まいはまさに和の家です。
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大きな屋根に包まれた平屋である事を意識させるゆったりとした屋根裏空間を実現できるのは平屋ならではの魅力です。
桧の床に座る座位のリビングとその視線の高さに合わせた木製の建具の桟の位置が空間に安定感をもたらせています。
平屋の深い軒がもたらす光と陰も、和の空間ならではのものです。
→和田の家の詳しい実例写真
偶然にも「豊田の家」、「平子山の家」、「和田の家」は同時期に設計された平屋の家ですが、そのあり方はまったく異なるアプローチから導き出されたものです。
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